The February Delivery- from 40s to 60s the U.S.

The February Delivery- from 40s to 60s the U.S.

2月という月は、正に季節の境界に佇んでいます。
まだ冬の空気を残しながら、光はわずかに春へと向かい始める。
装いを大きく変えるには早いけれど、確かな変化を感じ取れる時間です。

今回の入荷は、まさにその“あいだ”に寄り添うもの。
1940年代から1960年代にかけてのアメリカン・クロージングの記憶を手がかりに、
日常のための衣服をあらためて見つめ直しました。


BIGYANK

2月21日(土)ついに発売となるのは、BIG YANKより1940年代を基盤としたワークシャツのコレクション。
ディレクターに迎えたのは、長年ヴィンテージと向き合い続けてきた
BERBERJIN 藤原裕氏です。

当時のワークウェアが持っていたのは、
装飾ではなく“必要”から生まれたディテール。
非対称ポケット、可動域を確保する構造、耐久性を支える縫製。

左右非対称のポケットは煙草や巻紙の収納の為に。
ストームカフスと呼ばれる使用は作業中に引っかかりや裂けを防ぎながらも
自然に稼働する構造。

それらを一つひとつ検証し、
現代の生産背景のなかで丁寧に再構築しました。

ただ過去を再現するのではなく、
過去が持っていた誠実さを、いまの衣服として差し出す。
ワークシャツ=簡素な作り という固定概念を覆してくれる。
そんなシャツです。


DENIM COVERALL SERIES

続いては、1940年代のワークウェアを起点とした
デニムのカバーオールシリーズ。

1940年代といえば、第二次大戦期。
軍需産業と工場労働者の増加に伴い、衣服はより装飾でなく機能へ大きく振れた時代。
現場のニーズが直接デザインに反映され、
洗濯耐久性と通気性の両立のためにシャンブレーやデニムが使われました。

カバーオールとトラウザーズによるセットアップは、
本来は作業着でありながら、
年月とともに“日常着”としての存在感を獲得してきました。

無骨で、合理的で、そして美しい。
その均衡は、時代が変わっても揺らぎません。

デニムという素材が持つ経年変化もまた、
着る人それぞれの時間を刻み続けます。


WAKOUWA

最後に、1960年代の海辺の記憶を背景に持つ
WAKOUWA のジャケット。

1960年代は戦後の経済成長と中産階級の拡大フェーズ。
余暇を楽しむ文化がより多くの人に広がりました。

ヨットやセーリングもそのひとつ。
これらのレジャーと都市生活の接続もこの時代の特徴。

ヨットパーカとセーリングジャケット。
いずれも、本来は風や水から身を守るための衣服でした。

しかしその機能的な衣服は、
やがて街でも着られるデザインとして受け入れられていきました。

軽やかで、動きやすく、どこか自由。
海を知らなくても感じられる開放感があります。


季節が移ろう手前の、わずかな時間。
厚すぎず、軽すぎない衣服が最も美しく感じられる瞬間です。
年々、その期間は短くはなってきていますが空調などが発達している
現代だからこそ必要な衣服だとも思います。
そこに愛着の湧くディティールやストーリーがあればなおさらです。

1940年代のワークウェア。
1960年代のマリンウェア。

異なる背景を持ちながら、
どれも共通しているのは
長く着られる日常着であること。
そして、
機能として作られた意匠が日常的に美しいと思えること。

ANATOMICA が大切にしてきた価値も、
まさにそこにあります。

静かに始まる、新しい季節のために。

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